キャリア教育の概要

子ども達に夢を与え地域産業人の芽を育てるために

趣旨

フリーターやニートなど、若年者の無就業が社会問題となっています。今後はさらに、少子化や人口減少により労働生産力の低下が危惧される中で、若年者の他地域への流出は,地域エネルギーの減退に拍車をかけることとなります。
長期的な視野に立ち、横須賀を担う人材は、地域で育て、地域で活躍できる土壌を築く必要があります。そのためには、地域産業界が積極的に、子ども達の教育に関わり、夢を与え、地域への愛着心を醸成させることが重要なことだという時代的状況です。
将来を見据え、横須賀市・横須賀市教育委員会・横須賀商工会議所が共に手を携え、大人・地域産業人を育て、その受け皿を作り、10年後、20年後に横須賀を支え、活性化する人材に成長してくれることを期待し、ここに「よこすかキャリア教育推進事業」をスタートいたしました。

平成20年4月16日発

具体的な活動内容

横須賀商工会議所(産業界)に事務局を設置し、横須賀市(行政)・横須賀市教育委員会(教育界)と連携したプロジェクトを核とする。そのうえで特に中学2年生の「総合的な学習の時間」を体系的にプログラム化し、子ども達の職業観・勤労観を刺激し、啓発することにより「生きる力」「生きること」をより自覚的にとらえさせ、学習意欲や近い・遠い将来の社会に役に立つ生き方・あり方につなげる。そのために教育現場への支援を連携して支援、実践しています。

  1. MTT(マイ・タウン・ティーチャー=横須賀で働く大人はすべて子ども達の先生)の派遣
  2. 職場体験先の事業所を開拓する支援
  3. 「よこすかキャリア教育応援団」の増強と拡大
  4. キャリア教育プログラム作成のアドバイス
  5. MTTのプログラム作成のアドバイス
  6. 事業所の職場体験受入のコーディネート

成り立ち (背景と経緯)

背景

横須賀市の現状

2013年12月神奈川県人口統計調査結果より
人口:約409千人
神奈川県下市町村別人口減少数第1位
2025年に人口が約37万人に減少することが予想されている(横須賀市試算)

市立中学校の現状

2013年4月現在
校数:23校
生徒総数:10,620人
(内2年生:3,568人)

コーディネート機関の必要性

キャリア教育推進への急激な動き
職場体験受入に対する教育界の過度の期待
学校と企業との職場体験学習に対する認識のずれ
ノービジョンのしわ寄せは、すべて生徒に

地域活力の低下

横須賀市がおかれている現状に加え、フリーターやニートなどの若年者の無就業問題、少子化による若年労働者の低下が危惧されるなかで、横浜市・東京など若年者にとって魅力ある大都市への労働力流出が、横須賀市の地域エネルギーの減退に拍車をかけている
少子高齢化の進行

地域産業が教育にかかわる必要性

現在のニート、フリーター対策は、対症療法に過ぎない。
根本的な改革は、義務教育段階から関わる必要がある
地域産業への愛着心の醸成
地域社会で活躍できる場づくり

経緯

2005(H17)年

「キャリア教育推進プロジェクト協議会」が横須賀市教育委員会に発足
構成:【行政】こども育成部・経済部、【教育】教育委員会・小中高学校・PTA、【経済】商工会議所)
目的:職場体験などを通じて、キャリア教育のさらなる推進を図るため、この協議会が発足。「キャリア・スタートウィーク」を厚生労働省・経済産業省などの協力を得て、文部科学省が、全国138の地域においてこの取り組みを開始したのが背景。
横須賀市はこの年に横須賀市立武山中学校が取り組みを開始しました。また、「キャリア教育推進地域(文部科学省)」の指定を受け、横須賀商工会議所をはじめとする関係機関と連携を図りながら、小・中学生の職場体験を推進し始めたのです。

2006(H18)年

「第1回横須賀・三浦地域懇談会」がシンポジウムを開催 神奈川県経営者協会主催
(後援:横須賀市・神奈川県商工会議所連合会・横須賀商工会議所)
テーマ“企業と地域の連携によるキャリア教育・職業能力教育の推進”、経営者と教育者の立場から貴重な発表がなされました。企業の人材育成の必要性と社会的責任、学校教育におけるキャリア教育の必要性など、多くの関心を集め大切な機会となりました。
さらに横須賀市立小・中学校の「職場体験」の推進を大きく広く推進させた年度となりました。これは横須賀にある事業所・企業人の理解、協力の成果です。(キャリア教育通信第6号より平成20年3月発行所:横須賀市教育委員会、横須賀商工会議所)

2007(H19)年

「職場体験」を横須賀市立小中学校でさらに広く推進
2005年に発足した「キャリア教育推進プロジェクト協議会(横須賀市教育委員会)」が、座長に千葉商科大学教授(鹿嶋研乃介氏)を迎え、回を重ねて推進の方向を打ち出しました。

2008(H20)年

「よこすかの人材を横須賀の力で育てたい」と横須賀の状況を分析
元気になる方向をめざす具体的な構想を示し、2009(H21)年からは横須賀商工会議所が中心を担い、2つのモデル推進中学校(坂本・不入斗)で始まりました。

2009(H21)年

産・学・官連携「よこすかキャリア教育推進事務局」を設置
「よこすかで働く大人が地域連携(産業界・教育界・行政)し、子どもたちに夢を与え、地域を支える大人・産業人として活躍してもらいたい、よこすかの人材を横須賀で育てたい。それが、よこすかを活気・活力のある街になっていくための基盤づくりにつながります。(趣旨)」と全国に先駆けて歩みだし、横須賀市と市教育委員会・横須賀商工会議所がさらに連携して横須賀商工会議所内に事務局を設置し、歩み始めました。

キャリア教育の歩みはこちら

組織図(横須賀市・市教育委員会・横須賀商工会議所の連携)

事業内容

マイ・タウン・ティーチャー(MTT)の派遣

横須賀で働く大人は、みんな子どもたちの先生(マイ・タウン・ティーチャ―=企業から派遣される職業人講師)と呼びます。推進中学校の指導計画に沿って事業所から派遣される職業人講師(MTT)を募集し、実施中学校に派遣します。
学年教師との連携【指導のねらいの明確化・生徒の現状の把握と共有】を事前に教育コーディネーターと、事後にMTTと担任・学年の教師とミーティングを実施し「子どもの育ち」の共有化を図っています。
それを踏まえると、中学生はもちろんのこと派遣されたMTT、担任・学年教師も自らのキャリアを見つめる学びの機会になっています。「連携して育てる」が高まる機会となります。

※マイ・タウン・ティーチャー=略して「MTT」と呼びます。

グループディスカッション【出逢いが心を揺さぶる】

グループディスカッションでは、企業人になって数年目のMTTに来ていただくことが多いです。
生徒が6~7人ぐらいのグループに分かれ、MTTを囲みます。MTT自身がこの仕事に就くまでの想いやいきさつ、経験を情報発信していきます。
中学生はその情報を受け止め
「働くとはどういうことか」
「中学校での学びは働くことにつながるのか」
「働く生きがいはなにか」
等思い々の質問をMTTにぶつけていきます。MTTの答えは、真剣です。中学生の素朴な疑問や稚拙な考えを成長させ、気づかせるきっかけとなります。中学生も然ることながら、若い企業人であるMTTの子ども達の成長を願う気持ちは、回を追う毎に高まります。
不安な気持ちや夢を持つことの大切さ・やってみる事の意味を、自分の経験から深く掘り下げ、子ども達に応えたい・伝えたい・役に立ちたいという思いは子ども達の心を揺さぶります。

ポスターセッション【私の仕事紹介します】

ポスターセッションでは、地域の事業所の方がMTTとして、仕事道具や説明のためのパネルを持参し、教室内にお仕事ブースを展開して、子ども達に「私の仕事を紹介する」というものです。
その仕事の歴史や社会での役割などを教えたり、クイズ形式で仕事内容を考えてもらったりしながら工夫を凝らして話を進めてくれます。子ども達は、普段接することのない大人の仕事道具を実際に手に取り、身に付けて、説明を聞きながら体験をすることが出来るのです。
知識でしかなかった「社会での仕事」というものを身近に感じられる瞬間です。実際のプログラムでは、8業種くらいのMTTが参加し、それぞれのブースの前で生徒とMTTの間で質疑応答が展開されます。1回のセッションは40分間。生徒は15人ぐらいのグループに別れ、時間内に2つの説明を聞き、興味を深めていきます。

「よこすかキャリア教育応援団」の増強

「よこすかキャリア教育応援団」は、この事業の主旨に賛同し応援をしてくださる事業所(企業人を含む)の集まりです。地域産業が子ども達の教育に関わり、横須賀の未来を担う大人(産業人)を育てることは長期的視野において地域づくり・地域活性化のためにも重要なことと捉えています。情報を公開し、その効果を知っていただくことにより力強い「よこすかキャリア教育応援団」ができていきます。
※応援団といっても団長がいるわけではありません。「力を合わせて子ども達の成長を応援しましょう」という願いを込めています。

その他の活動内容【事務局&コーディネーターの支援内容】

  1. 「MTTとのポスターセッション・プログラム」作成支援
  2. 事業所の「教育効果を高める職場体験受入れプログラム」作成支援
  3. 学校プログラムと事業所の連携支援
  4. 「ビジネスマナー研修」の支援
  5. 学校・事業所・関係機関への訪問【事業の推進をめざす連携を求めて情報交換】
  6. その他事業の推進のために必要とされる開拓と連携