「なりたい気持ちがさらに強くなった。」「自分の夢が決まった。」これは生徒たちがMTTによるポスターセッションを終えた後の感想だ。
百二十名の生徒たちは、開始前の緊張した表情からは想像できない輝く瞳でペンを走らせていた。そのスピードはいつもより速い。きっと何かをつかんだのだろう。自分の将来を思い描いているのか。いつもの教室に流れる時間と違う未来に触れているのだろう。
今年の九月、それぞれの仕事着に身を包み、さまざまな道具や荷物を運び込むプロ集団がやってきた。建具師、プロゴルファー、海上保安官、漫画家、男性看護師、保健師、フラワーデザイナー。コーディネータースタッフを含めると総勢二十五名。言葉だけではなく、その確固たる存在感、立ち居振る舞い全てが子どもたちを圧倒させた。
こんな強烈な二時間があったのだ。
野比中 阿部 純一