よこすかキャリア教育推進事業
ホーム  >  よこすか働き人  >  阿部 純子さん
子ども達に寄り添い続けたい

幼い頃、踊る事が大好きな私は、バレエをやらせて欲しいと習い始めました。小学4年生の時、「辞めたい」と訴えた私を、母はいつものように練習に連れて行きました。バレエの先生にも、「辞めたい」との意志を伝えましたが、発表会を控え練習中だった為「頑張りましょうね。」と言われたきり...それ以後、口に出来なくなりました。
心からバレエを楽しめるようになったのは、その一年後。発表会で初めて役をもらった時でした。今までになく練習し、先生から言われた事が出来、褒められた時は嬉しかったです。「練習したら出来る!」その事を理解したら、何をやっても楽しくなりました。この経験は、私にとって大きな転機となり、今の私に繋がる出来事になりました。
私は教え子達に、バレエを通して勉強とはまた違う何かを掴んで欲しい、そのための子ども達の努力には、諦めず寄り添い続けたいとの思いです。上達するための楽しさを感じられる事を大切にしながら、来年の"コンクール出場"に向け、ひとり一人の努力が形になるよう指導したいと思っています。また、見守ってくださる方達にも、その成長を感じて感動してもらえる、そんな一体感が生まれる温かい舞台発表を目指せたらと思っています。

苦労して得た達成感は前進の証

MTT参加は、3年目となりました。
しっかりとした考えを持っている子や大きな夢や目標を持っている子はいましたが、その為にどのように努力をしたらいいのかが分からないといったこともありました。
ディスカッションでは、将来のことも含めて、何をしたらいいのか分からず迷っていたら、「何が好きか」を聞き出します。日常生活のどんな些細な事の中でも、「好きだ」と思える事が必ずあると思います。その興味を引かれる事こそが、その人の個性です。少しでも気になる事があったら、本気になってやってみると、きっと世界が広がると思います。それが将来、何かに繋がるかも知れません。
話を聞いていると子ども達は、自分のことは諦めがちで、挑戦することに消極的です。ひょっとしたら、あまり将来の事を考えたくないのかも知れませんが、自分の可能性を制限してしまっているのは、とても残念に思います。努力の方法と、夢が繋がれば、がんばれる子達だと思います。自分が苦労して得た達成感は、自信を持って前に進める証となるはずです。
MTTは、私の経験が、子ども達の成長の手助けとして貢献出来たらいいなと思って参加しています。

自然に行っている素晴らしさ

私が育った頃は、MTTの取り組みや職場体験はなかったので、世の中の職業もよく知りませんでした。中学生のうちから職場体験や、様々な職業の方から話が聞け、将来に向き合うきっかけを、教育のシステムとして自然に行なっているところに素晴らしさを感じます。
バレエの生徒達は、バレエをやる気で来てくださるので、学校とは違い、初めからバレエを通した関わりから絆を強めていけますが、中学校では生活面や勉強面も、ひとり一人個人差がある中で、指導をしている学校の先生方は、大変な苦労もおありだと思います。
MTTとして、一日会ってお話をするだけですが、時にはこのような変化が学校や生徒さんの為になるならば、自分達とは違う世界がある事も知ってもらう経験として、私達の話に耳を傾け、心に止めてもらえたら良いと思います。

中学生の不思議な力

現代の子どもは、自己を発展させるチャンスに恵まれていると思います。中学生の皆さんは、私達が過ぎてしまった事に、これからいくらでもある可能性で、未来を切り開けるエネルギーを持っています。その事に気付いて、迷いながらも自分達なりの選択をし、活動の場を広げて欲しいと思います。
大人になっても、いろいろな事が起き、心が折れそうになることもありますが、MTTとして子ども達を目の前にすると、「自分もしっかりしなくては!」という強い気持ちが湧き上がってきます。中学生には不思議な力があります。
またMTTは、日々、沢山の子どもと接するバレエの指導者としての自分を、再確認する場にもなっています。
私宛てに送られた生徒の感想文には、マイナスな言葉が書かれていません。私の話に興味を持って真面目に聞きいてくれていた純粋無垢な子ども達から私も元気を貰っています。

ページの上に戻る